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なんと、子供じゃなくて私自身がADHDと診断されました。
荒波に揉まれる毎日は、まるで冒険。

本ブログで提供する情報は、運営者である私個人の体験や考察に基づくものであり、医学的なアドバイスや診断を提供するものではありません。 ADHDの症状、診断、治療、薬の服用などに関しては、必ず医療機関を受診し、医師や専門家の指示に従ってください。本ブログの情報を参考にされる場合は、ご自身の判断と責任において行っていただきますようお願い申し上げます。

  1. ADHDの暮らし/

「障害を隠して結婚した?」ADHD診断後に訪れた危機と夫が選んだ道

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結婚から数年。家事も育児も、私がやってうまくいかないことは夫にすべて頼ってきましたが、夫が転職してからはそうもいかなくなりました。

過去の記事では、私は仕事をしながら育児と苦手な家事と、すべてに奮闘し、当然敵わずに、薬や支援に頼るために以前から疑っていたADHDを正式に診断してもらったことを書いてきました。

実は、結婚するときには未診断なこともあり、ADHDとは一言も言っていませんでした。むしろ傾向が出ないように努めていました。

この判断が結婚後にどう影響していったのか、今回は主に、ADHDを家族にカミングアウトできずにいる人ADHD当事者をパートナーに持つ方向けに、私の経験やアドバイスをお伝えします。

夫にADHDの疑いがあることを話し、そして正式な診断へ #

今から数ヶ月前。その頃には、夫の転職が差し迫っていて、転職後は私が家事育児をほとんどやっていかなければならないだろうということがすでに予想されていました。

「家のことやる能力が極端に低いのはたぶんADHDだからかなと思って」私はADHDを疑っていることを、初めて夫に言いました。このとき私が話したのは、専門医に見てもらえば改善方法がみつかる可能性があり、そうすれば夫の負担を減らすことができるだろうということでした。普段からおだやかな夫はいつもと変わらず「そう?」という感じで、まだピンときていないのか、私が軽く話してしまったからなのか、「病院行こう!」と決意するような場にもなりませんでした。

その後も特に動きはありませんでしたが、忘れ物やミスをするたびに、ADHDだとこういうふうになってしまうんだという説明をしやすくなりました。

この話をして数ヶ月後、徐々に生活が崩れ始めたためについに専門医を予約しました。予約したその日には、夫に、本当にADHDであれば初診から6ヶ月以上で障害者手帳の申請ができるようになること(私は明言しませんでしたが、この時点でADHD=障害者だという認識になったと思います)を伝え、様々な支援が受けられる可能性があるからそれに頼りたい、そして、ADHDの特性を軽減するための薬も処方してもらえる可能性があると説明しました。

予約してから受診までに、子供たちを連れ4人で車での日帰りのお出かけをすることがあり、夕食前には会話が噛み合わずに子供のオムツを駐車場まで取りに戻り、食事が始まると子供のカトラリーを取りに再度戻り、、というADHDあるあるな凡ミスが出てしまい大喧嘩になりました。その日は1日を通して忘れ物やうっかりなどのミスが多く、夕方には脳がさらに疲労して話がうまく理解できなくなっていました。夕食が終わった頃には夫が謝ってくれてそこから帰宅するまでの車内ではゆっくりと話ができたのですが、私は「これの原因になってるのがADHDだから、私に対して困ってることがあれば病院に持っていくから書き出しておいてほしい」と伝えました。夫は「特にないかな」との反応でしたが、私は、絶対に困ることだらけだから正直に言えばいいのになと不満でした。今になって考えれば、夫にとって私の行動は”妻の普通”であり、普通だからこそ困るという考えにはならなかったのかもしれません。

そして、私の予想通り、ADHDであることが正式に診断されました。

診断された日のうちに私は夫に自分がやはりADHDだったことと、薬物療法を始めることを伝えました。

しかしこの日以降、私はこれまでと違う不安を抱えながら過ごします。

自分から隠していたなら仕方ない…覚悟した夫婦の危機 #

ADHDと診断されたことで、ほっとした面が大きかったです。しかし、その安堵はすぐに別の感情に置き換わります。私の心に生じたのは、罪悪感でした。

「もしかして、私はADHD、障害者であることを夫に隠して結婚したことになるのか?」

結婚当時の20代後半、私はすでに自分の特性を「発達障害」と疑っていて、でも、遅刻や忘れ物などはありつつもしばらくは仕事も問題なくやっていたし、頑張ればなんとかやっていけるだろうとたかを括っていました。また、私と夫は交際前から職場で仲が良く、交際期間には半年同棲したこともあり、そこそこわかってくれているだろうという驕りもありました。

しかし、冒頭でも触れた通り、迷惑をかけないためとは言え、特性が出ないように努めていた部分もたくさんありました。仕事で特性が出ないようにするのは、なんとかなることもあるとは思いますが、日常生活すべてにおいてがむしゃらに特性を消すことは無理です。結婚後はどんどんボロが出始め、しまいには家事は全て夫担当にすり替わっていました。子供が生まれても、夫婦の要領の良し悪しがさらに広がり、育休期間以外では夫が仕事をしながら主に育児を担当し、私がサポートにまわるような立場でした(育休期間も夫が帰宅してからいろいろお願いするということが多かったです)。

私もこれ菩薩のこと書いてるかと錯覚するんですが、うちの夫も人間なので、かなり無理しながら、削られながら私との日常生活を送ってきたんじゃないかと思います。「結婚前はこんな苦労するとは思ってなかったけど、もう自分の妻となったから見捨てるわけにはいかない」そんな思いで過ごしてきたであろう夫に罪悪感しかないし、もう”嘘をついて”結婚した私が悪いからどんな結論を突きつけられようと仕方がないだろうと私は思いました。むしろ、それでも私との生活を続けてくれるようであれば、これを機に今後をどうするか考えるよう私から言ってあげるべきだと覚悟を決めていました。

私はADHDから一生逃げられないけど、夫は離れるという選択ができます。当事者は私だけだから、夫は”普通”として生きていく方法を持っているのです。

診断から数日かかって、やっと夫に「私、結婚前はADHDなんて言わなかったけど、それって騙してたことになるんじゃないかな」と言うことができました。

夫の、私への理解は浅くは無かった #

いつもどおり、夫はおだやかに言いました。「結婚したら大変だろうなということはわかってた」

夫は、同棲期間中に、私が物をなくす、片付けができない、時間感覚のズレ、後回し癖…私のADHDに起因する特性を、すでに認識していたというのです。

当時、夫がそれらの特性を「ADHD」という具体的な名前で認識していたわけではありません。ただ、私が「ちょっと変わった人」であり、一般的な人とは異なる特性を持っていることを、彼は経験として理解していた。そして、それらを含めて「結婚したら、色々と大変なこともあるだろうな」と、覚悟の上で私との結婚を決めてくれていました。

夫があまりにもいつも通りすぎて、私も「ああ、そうなんだ」という感じでした。私が抱いていた「隠していた」という罪悪感は、夫の深い理解と受容の前に、解消されたのです。

自己理解とカミングアウトの重要性 #

家族へのカミングアウトは、自分の発達障害の治療を前向きにするきっかけになり得ます。

私のように、パートナーがすでに特性を認識しているケースもあります。カミングアウトによって、互いの理解が深まり、具体的なサポート体制を築きやすくなります。ただし、カミングアウトは個人的な決断であり、相手の性格や関係性、状況を考慮して慎重に行うべきです。焦らず、自分のペースで準備を進めることが大切です。私の経験で良かったと思えるのは次の点です。

  • 「かもしれない」から始めた
    • いくらそれまでの関係性があったり片鱗が見えていたとしても家族の病気や障害を急に受け入れるのは難しいです。
  • 自己理解と特性との比較
    • 少しずつ「この特性があるからうまくいかない」という傾向と結果について解説したことも、理解を助けたのだと思います。
  • 自分でも改善に向かおうとする具体的な方法を提示した
    • 障害だからとすべてに甘えることなく、自分でもなんとかしたいと思っていることを伝えることです。
  • 普段から感謝の気持ちを伝える
    • 自分が気づかないところにさえ、家族には負担があるかもしれません。常日頃から「ありがとう」を言い続けます。もちろんカミングアウト後も。

特性への理解と「受容」の力 #

夫の反応は、ADHDの家族を持つ方々にとって、非常に参考になるのではないでしょうか。夫は、私が診断を受ける前から、私の特性を「そういうものだ」として受け入れてくれていました。「大変だろうなということはわかってた」という夫の言葉は、医学的な知識がなくても、相手の個性や行動を静かに見つめ、受け入れる「受容」の力がどれほど大きいかを示しています。私の経験から感じる、ADHDのパートナーができることは次のとおりです。

  • パートナーの特性を見る
    • ADHDの特性は、時に誤解を生んだり、周囲に特別な配慮を求めたりすることもあります。しかし、診断名に囚われすぎず、具体的な行動や困り事を理解しようと努めること、そして相手の「ありのまま」を受け入れることが、良好な関係につながると思います。
    • ADHDはどの特性がどの程度出るかなど、個人差が大きい発達障害です。「ADHDだからこう」と決めつけずに、ご本人の特性を見てください。
  • 常に普通の反応を貫く
    • 私の夫はいくら妻が変だと思っても、それを”妻の普通”として捉え、だからこそ普通の、常にいつも通りの反応をしてきたんだと思います。おかげで構えることなく相談することができました。
  • 自分自身にもリスクがあることを理解する
    • 発達障害者のパートナーには「カサンドラ症候群1」などの恐れもあり、多大な負担がかかっている可能性があります。
    • つらいと感じた時には一旦離れてみることも選択肢のひとつです。
  • 必要に応じて発達相談支援センターの相談窓口を利用
    • 私の住んでいる地域では、家族からも自治体の相談窓口を利用することができ、私はここで医療機関も紹介してもらいました。ご自身のつらいことも親身に相談に乗ってくれるはずです。発達障害の疑いがあれば、まずは発達相談支援センターに相談してみることをおすすめします。

ADHDの診断を受けるまでの流れもひとつの例としてご覧いただき、ご参考になれば幸いです。

夫のように、診断前から「大変さ」を予期し、それでも共にいることを選んでくれたパートナーの存在は、当事者にとって何よりの支えとなるでしょう。

私はこれからも自分の特性と向き合い、それを軽減していくための”攻略法”を探す冒険の旅を続けていきます。せっかく夫という旅の仲間がいるんですから。


注釈

カサンドラ症候群とは、自閉症スペクトラム(ASD)やADHD(注意欠如多動性障害)といった発達障害を持つ、配偶者や家族、パートナーなどとの関係で、常に感じる孤立感や相手に理解されない感覚を指します。これに伴い、精神的ストレスや体調不良を併発することもあります。

  • 責任感が強い
  • 生真面目
  • 感情移入しやすい
  • 面倒見がいい

カサンドラ症候群は、病気ではありません。
正式な疾患名もなく、「カサンドラ情動剥奪障害」「カサンドラ状態」と言われることもあります。

うちの親ってもしかして発達障害かも知れない - 渋谷区恵比寿の心療内科・精神科|ハロスキンクリニック恵比寿院


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